口腔機能低下症(オーラルフレイル)

口腔機能低下症(オーラルフレイル)

近年医学界で話題となっている「フレイル」という概念をご存じでしょうか?フレイルは簡単に言えば、「加齢により心身が衰えて弱くなった状態」のことです。健康と介護状態の間ともいわれています。

年を取って若い時にできていたことが出来なくなった、疲れやすくなった、集中力や体力が続かなくなった、体重が減った、それらによって気持ちが落ち込むようになった等、これらはすべて生きていれば自然に起こることです。

フレイルは自然に起こってくることではあるけれども、それをあるがままで放置しているとますます人間の身体機能は落ちてきてしまいますし、活動が減れば精神状態や脳の活動にも悪影響を及ぼすでしょう。そこでフレイルの状態を医療や介護の分野から介入をして、少しでも改善または現状維持をさせていきましょう、というのが近年の医学界の潮流です。
(フレイルについてもっと知りたい方は東京都医師会のHPをご覧ください)

フレイルの中でもお口の中のフレイルをオーラルフレイル(口腔機能低下症)といいます。歯科では口腔機能低下症というのは診断名として使われておりますので、オーラルフレイルというより口腔機能低下症のほうが歯科従事者同士ではなじみがある言葉です。歯科の中でも2019年くらいから有名になってきた非常に新しい言葉です。オーラルフレイルとは単純に口が乾燥するとかかみ合わせがなくなったとかの個々の事象ではなく、一つ一つの大小にかかわらずそれらのいくつかの兆候が複合的に発生している状態です。

それまでは「年のせいだから仕方ないね」と患者さんに言うしかなかった状態に診断名がついたので、つまり検査や治療に保険点数ができたので、歯科医が積極的に検査や治療、リハビリテーションの提案ができるようになってきました。患者さんにとっても、まだ病気というほどではない状態から医療的な介入が受けられることはその後の人生にとって大きなメリットといえるでしょう。

よくある口腔機能低下症の兆候

  • ・口が乾く
    ・口が臭くなった
    ・歯が欠けやすくなった(歯が欠けてなくなった)
    ・かみ合わせが悪くなった
    ・咀嚼するのに疲れるようになった
    ・食事に時間がかかるようになった
    ・口の中に食べかすが残りやすくなった
    ・唇のとじが悪く食べこぼすようになってきた
    ・飲み込みがしにくくなってきた
    ・舌の動きが悪く徐々にろれつが回らなくなってきた

口腔機能低下症の検査の種類(保険診療代の目安)

口腔内細菌数の検査(70~210円)
咀嚼能力の検査(140~420円)
咬合力の検査(130円~390円)
唾液量の検査(130~390円)
舌・口唇運動検査(0円)
舌圧検査(140~420円)
嚥下機能検査(190~2160円)
食事状況の観察(0~600円)

リハビリテーション(一回につき)

口腔機能低下症(50円~150円)
嚥下機能(190円~600円)

患者さんの訴えや病態に合わせて歯科医師がふさわしい検査をいくつか行い、必要があれば歯科治療を行い、更には機能改善・維持のための生活習慣・食事形態・リハビリテーション等のご提案を行います。お気軽にご相談ください。外来でも訪問診療でも行っております。